はいどうも、一挙に冷え込んで来た今日この頃、底冷え&吹き降ろし吹き荒ぶ関西地方某所に居を構え、急激な温度変化には圧倒的な弱さを誇り(?)、それでも老後は雪国に住む野望を持つ男、使用上の注意です。
いつまでも心は少年な私は、雪を見ると無性にテンションが上がる為、雪国に住めば毎日がハイテンションな老後が送れそうです。あ、でも、私は寒い所へわざわざ外出するのは好きではなく、寒い日に暖かい部屋の中から雪を見ながら、日がな一日趣味に生きたいだけなのですがね…(雪国でなくても良いのでは?)。
と言う訳で、長過ぎていつ終わるのか検討もつかない大型新連載、「毎日新聞ってさぁ…、どうなのよ?パート3」である(パート1はコチラ、パート2はコチラ、該当コラムはコチラ)。因みに、
画像と本文は一切関係がない。
では、続きをどうぞ…。
氏は同コラム中で「自由主義、社会主義を問わず平和の配当ゼロはこの国だけだ」と述べ、「平和の配当」なる言葉を使っている。
「平和の配当」とは、「東西冷戦の終了に伴って生じた軍事費削減による余剰分と、それを軍事以外の事業に回すことによって国民が得られる利益(大辞林)」と言う利益を指すもの、らしい。つまりは冷戦終了に依って軍縮が進み、その反作用で得られる利益の事を言うのだろう。
確かに、米露と言う東西二大国に依る冷戦は終結し、世界的な緊張は緩みつつある、と言えなくもない。アフガン戦争やベトナム戦争の様な、代理戦争が勃発する恐れが劇的に小さくなったからである。
しかし、世界的な緊張緩和とは裏腹に、局地的・民族的紛争の可能性は逆に大きくなっているのが現実である。大国のタガが外れた旧共産圏・中近東アジア諸国と、我が国を含む欧米を中心とした先進諸国との軋轢は日に日に増すばかりである。
それだけではない。イデオロギーと言う巨大な対立軸が崩壊した現在では、宗教・民族と言った小さな、しかし根の深い新たな対立軸が全世界に散在している。その結果、却って冷戦終結以前よりも紛争発生可能性が高くなった地域もあるのが、現実であろう。
そして、その地域には日本を含む極東アジア地域も含まれる。朝鮮半島は、地政学的にも大陸国家と海洋国家の衝突が起きやすい地域であるし、瀕死の独裁国家があり、その背後には未だに覇権主義を暗に掲げる支那も控えている。
従って、如何に東西冷戦が終結したからと言って、その事が直接全世界に遍く「平和の配当」をもたらすとは必ずしも言えないのだ。逆に、冷戦時よりもさらに「平和の先行投資」を必要とする国家が現れても、別段特異な話ではないのである。
確かに、現実的に考えれば朝鮮民主主義人民共和国や支那が、我が国に対して戦争を仕掛ける可能性は、非常に低いと言わざるを得ない。しかし、世の中に「絶対」と言う言葉はない。何があるか分からないのが、私達の生きる現実世界である。
そもそも、軍事・国防と言うものは昔から言われている様に、「晴天の唐傘」なのである。平和な時には無用の長物であるが、いざ有事となった際には絶対的に必要となる性質を有している。そしてそのいざと言う時の為の、「転ばぬ先の杖」が肝要なのであるのは言うまでもない。
現に、防衛庁の予算要求も紛争発生の危険性が変質しつつある事を受け、対テロ作戦やMD構想の為の予算を要求している。これこそまさに「平和の先行投資」であり、「晴天の唐傘」「転ばぬ先の杖」と言うべき必要経費であろう。
東西冷戦が終結したから全世界に平和が訪れ、世界中の国民が軍縮に依る恩恵に浴する事が出来る、とでも言いたげな氏の論説を読むと、
頭の中に鳩でも飛んでんのか?
と聞きたくなる。鳩を飛ばすのはマジックショーだけにしてもらいたい。
予定よりかなり長くなってしまったので、以下次回。